「スティーブジョブス脅威のプレゼン」を読んで
ご存知ジョブスのプレゼンを解説した本。
本の構成もジョブスのプレゼント同じ「3部+おまけ」という構成
目次
第一幕 ストーリーを作る
- 構想はアナログでまとめる
- 一番大事な問いに答える
- 救世主的な目的意識をもつ
- ツイッターのようなヘッドライン
- ロードマップを描く
- 敵役を導入する
- 正義の味方を登場させる
第2幕 体験を提供する
- 禅の心で伝える
- 数字をドレスアップする
- 「びっくりするほどキレがいい」言葉
- ステージを共有する
- 小道具を上手に使う
- 「うっそー!」な瞬間
第3幕 仕上げと練習を行う
- 存在感の出し方
- 簡単そうに見せる
- 目的に合った服装
- 台本を捨てる
- 楽しむ
土台となるストーリーを作成し、徹底的に練習して、演出で体験を提供する。という王道パターンだと思うが、
ストーリーを作成するときでも「いちばん大事な問いに答える」つまり顧客が望むものに答えるという「顧客主義」をシンプルで本質的な言葉に置き換えている所がポイントだと思う。悪役(問題点)と正義の味方(アップル製品)を使った勧善懲悪スタイルもシンプルでわかりやすい。プレゼンの資料もシンプルというか文字も数字も殆どない、話す言葉もすごくシンプル。
常に「シンプル」という概念が貫かれていて、それがわかり易さ、キレの良さの源のなっているのだと思う。
これは、9/2の新しいipod, iTV, iTunesのプレゼンを見てて感じたことだが、ジョブスのプレゼンを見終わると音楽や映画を見た後の感覚に近い。ストーリーがよく出来ている証拠だと思うが、それだけじゃなくジョブスの空間支配能力がハンパない。話すスピードとか、1トピックにかける時間の長さとか、ちょっとしたサプライズとか、ジョブス自身の存在感とか。
「シンプル」という概念の上にストーリーというプレゼンの土台があり、その上にムダなく種々の要素が配置され、ある種異常な空間を演出、観客を集中状態につれていくのだと思う。
有名なジョブスのスタンフォード大学卒業式でのスピーチ。これもすごい。
http://video.google.com/videoplay?docid=9132783120748987670#
この本を読んでいてすごく困ったことは、読んでいてapple製品が欲しくてたまらなくなることだ。