いじめの構造

内藤朝雄さんという方の「いじめの構造」を読みました。ビジネス書以外になんか読みたいなーって感じAmazonを徘徊してたら目に留まったので読んでみました。


子供がいじめる原因として、色んな専門家が色んな事を言ってますよね。「地域社会の消失・家庭環境による人間関係の希薄化」逆に「核家族化・少子化の進行による過度に濃密化した学校」。「幼児化してる!」「いや、むしろ狡猾なくらい計算高い!」とか・・・色んな人が、すごく矛盾することを言ってたりする。この本ではその矛盾を「秩序の生態学モデル」という考え方で見事に説明している。


「秩序の生態学モデル」というのは簡単に言うと、

人間は様々なローカルな社会を持っておいて、それぞれの社会において秩序が存在する。秩序が変わる事で現実感覚が変わり「良い」「悪い」も変わってくる。秩序が社会の環境や構成人員によってその優位性が変化すること。


大人というある絶対座標(法律とか広い市民社会のこと)から見て、家では「良い子」でも、学校では「悪い」いじめっ子かもしれない。でも学校にいる子供達自身の座標系(友達関係内でのノリとか空気)では常に「良い」ことをしようとしている。
だからいじめは精神教育じゃ無くならない、社会構造を変えないとダメですよと著者は言っている。すごく納得だし、大人にだって十分当てはまる。自分の普段の行動を考えさせられちゃうなー。