中国人の戦略的思考ってやっぱすごいなと感心した

8/15のテレビ東京田勢康弘の週刊ニュース新書」で少し前に騒がれた「中国でのコシヒカリ標章登録」についての放送があった。標章登録した会社社長は、中国の農村出身で25年前に来日し現在では日本国籍を持ってる。

僕は標章登録はただ標章利用料だけを狙ったものだと思っていたがそうではないらしい。その社長はコシヒカリブランドに目をつけビジネスとしてしっかり展開するつもり見たいです。

  1. 日本の気候に最適化されたコシヒカリを中国で栽培するために、中国内で日本気候に近い土地を10年前から探していた。
  2. 今年本格的な収穫に入る(10トンか100トンか数字は忘れた)
  3. 中国内で無断でコシヒカリ標章を使った豊田通商に対して法的手段も考えているが、ビジネスとして協力する事も考えている。
  4. 中国の農科学研究所みたいな所と組んで、中国の気候に適したコシヒカリを品種改良中
  5. 農科学研究所の副所長が「ブランドを持っているものだけが、開発し販売する権利を持っている、これ世界の常識」と言ってる。社長も同じ事を考えてるでしょう。

10年前からコシヒカリブランドの中国での潜在需要に注目していた事、標章をあくまでビジネスの武器として自分の利益を最大化する手段として利用しようとしている事、最終的には中国内でコシヒカリを栽培しようとしている事を考えると、この社長の戦略的思考の徹底ぶりはすごいなぁーと感心した。日本国籍取ったのも戦略なんだろうな。これじゃあ日本は中国に勝てないなぁと思った。「日本はもうダメだ論」もしかたなく思えてくる。
でも農業戦略が良いのと、製品品質が良いのは別問題だし、簡単に中国産が日本産に追いつくとは思えない。だから日本の農業が積み上げてきた技術で勝負できる方法ってのがあると良いのかなぁと思った。
もっと言えば日本の積み上げた技術を使って中国de栽培、品質の高い製品を戦略的思考の上手な中国人に売ってもらう。そんな事ができれば理想的なのかなと思う。でも向こう30年くらいは出来ないんだろうなー。